ホストとして働き始めたばかりの頃は、スーツ代やヘアメイク、イベント準備など、出費がかさみます。
そんなとき多くの新人ホストが利用するのが 「前借り(バンス)」 という仕組みです。
「前借りって危険じゃないの??」「どれくらい借りられる??返済は??」と疑問を持つ人も多いでしょう。
本記事では、 ホストクラブの前借り制度の基本からメリット、デメリットやリスク、上手な付き合い方をわかりやすく解説します。
前借り(バンス)とは?
前借り(バンス)とは、ホストが翌月以降の売上から一定額を前払いで受け取る制度 のことです。
・給料日前でお金が必要
・イベントに必要なものを買いたい
・ホストを始めたばかりで洋服代が足りない
など、必要経費に利用されることが多く、多くのホストクラブに存在する制度です。
「給与の前借り」ではなく「売上の前借り」という形になります。
ホストクラブの前借りは 未来の売上(バック)部分を先に受け取る”仕組みであり、一般企業の給与前借りとは少し異なります。
そのため、売上が立たない=返済が重くなるというリスクがあります。
前借りが利用されるタイミング
新人ホストや中堅ホストは、生活資金が足りない時やイベントへの必要経費に前借り制度を使うことが多いです。
スーツ・靴などの営業用の洋服
ホストは見た目が重要視されるため、ホストを始める際は最低限の整った服装が必要です。
私服で出勤が主流になってはいますが、普段着ではなくホストとしての服装を考えることが売上アップのポイントです。
ヘアメイク・美容代の支払い
ヘアセット代は毎日かかるため、まだ売り上げの少ない新人ホストが一時的に利用することがあります。
イベント準備費用
バースデーや昇格祭など、イベント前は出費が増えるため前借りを利用する人が多い傾向にあります。
生活費の補填
まだ売上が安定していない新人ホストが、生活費の確保に使うケースも少なくありません。
ホストクラブの前借りの仕組み前借りの流れはお店によって異なりますが、一般的には下記のような仕組みです。
担当幹部などの上司に相談基本的に前借り希望は 上司(幹部/主任/支配人など)へ相談します。
借りられる金額が決まる店舗の規定や本人の売上状況、今までの状況をもとに「貸し付け可能額」が決まります。
翌月以降の給与から天引き返済
返済は売上バックからの 天引き が一般的です。
売上が低い場合は複数月に分けて返済されることもあります。
前借りできる金額の相場
店舗により大きく異なりますが、一般的には以下が多いです。
新人:1万〜5万円前後
中堅ホスト:5万〜20万円前後
売れるホスト:数十万円以上も可能
これはあくまでも店舗の「規定」と「信頼」、「売上状況」で大きく変わります。
売上が立つ目処が立たない場合や過去の前借りがまだ返済できていない場合は借りることができない場合もあります。
前借り(バンス)のメリット
すぐに資金を確保できる
急な出費やイベント準備にも対応することができます。
ホストとしてのパフォーマンスに投資できる
スーツ、ヘアメイク、名刺、イベントなど、前借りした資金を売上に繋げやすいのが大きなメリットです。
新人でも利用できる店舗が多い
ホストクラブでは新人育成のために前借り制度が整っている店舗も多くあります。
お店によっては入店から数か月は前借ができない店舗もあるので、求人情報や面接の際に確認しましょう。
前借りのデメリット・リスク
前借りは便利ですが、デメリットも多いので注意して利用しましょう。
特に新人ホストは必ず理解しておくべきポイントがあります。
翌月の給料が大幅に減る
借りれば借りるほど、翌月のバックが減り、生活が苦しくなることは避けられません。
借りる金額をよく考えて前借りを利用しましょう。
売上が立たないと返済ができない
ホストの収入は売上バックが中心です。
売れなければ返済が進まず、借金が積み重なりやすいというリスクがあります。
店舗からの信用を失う可能性も
前借りを頻繁に行うと「金銭管理ができない」と判断されることもあります。
昇格や役職に影響することもあります。
退店時にトラブルになりやすい
前借りの返済が残っている状態で辞めると、返済方法のトラブルで揉める原因となります。
退店後、返済できない状況が続くリスクもあり注意が必要です。
前借りで失敗しないためのポイント
前借りは計画的に使えば有効なシステムですが、使い方を誤ると返済地獄に陥ります。
以下のポイントを徹底することで、前借りと上手に付き合うことができます。
必要最低限に抑える
本当に必要な場面以外では利用しないことをおすすめします。
毎月の給料で調整できるのであれば、前借りは最終手段として考えましょう。
投資につながる支出に使う
・見た目の強化(スーツ・美容)
・名刺・イベント用備品
・売上に直結する準備
生活費や遊びに使うのはやめましょう。
返済が追いつかず悪循環になります。
返済スケジュールを事前に確認する
売上見込みと合わせて、毎月いくら天引きされるのかを確認しましょう。
どれくらいの期間で返済可能かを借りる前にシミュレーションすることで、スムーズな返済ができます。
前借り前に相談する
ひとりで抱えず、担当幹部や先輩ホストに相談することで無駄な前借りを避けることができます。
これを機に“売れるための行動”を徹底する
前借りはあくまで “売れるための準備の資金” です。
・出勤日数を増やす
・お客様との連絡頻度を増やす
・先輩ホストにアドバイスを求める
・イベントで結果を出す
など、こうした行動が返済の負担を軽減し、稼げるホストへ繋がります。
前借りで失敗しがちなケース
ケース①:前借りで生活費を補填 → 給料が足りずまた前借り
結果、毎月前借り頼りの負のループになり、いつまでも稼げない状態になってしまいます。
ケース②:イベント前に高額な前借り → 売上が伸びず返済地獄
「イベントで勝負!!」と先行投資の為に前借りをしたが、思うように売れず 翌月の手取りほぼゼロ。なんてこともあります。
ケース③:返済が残ったまま退店 → 店と揉める
返済の残金が多いと、退店後の支払い方法を巡ってトラブルになることもあります。
まとめ
ホストクラブの前借り制度は、スーツや美容、イベント準備、売上強化のためなどの目的に使うと、有効な使い方ができます。
しかし、無計画な利用や生活費の補填など、何度も前借りを重ねてしまうと返済地獄に陥ってしまう危険もあります。
前借りは“売れるための投資”に使うことで成功するホストになれる可能性が高まります。
しっかり計画的に利用し、売上を伸ばすための武器として活かしましょう。