ホスト業界には、あまり「転職」というイメージがないと思われがちです。しかし実際には、ホストという職業は変えずに、より自分に合った環境を求めて移籍をするホストも少なくありません。今の店舗で結果が出ずに悩んでいたり、人間関係や働き方に違和感を抱えていたり、「ホストという仕事は好きだけど、このお店は自分には合わない」と考える人も多いのが事実です。
ただその一方で、移籍をすることに対して、「逃げなのではないか」「他のお店に行っても同じだったらどうしよう」と不安を感じる人もいます。特にホスト業界は、お店ごとのカラーが強く、「お店を変える」という決断は非常に大きな決断となるのです。
環境が変わったことで売上を伸ばすことができたり、より働きやすくなったりするケースも珍しくありません。逆に、勢いだけで移籍をしてしまい、移籍前よりも苦しくなってしまうケースもあります。大切なのは、移籍という決断の理由をしっかりと整理することです。
この記事では、ホストの移籍について赤裸々に紹介していきます。
ホスト業界で移籍が珍しくない理由
ホスト業界では、「一度入店したらずっと同じ店舗で働き続ける」というイメージを持たれることもあります。しかし実際には、移籍そのものは決して珍しいものではありません。店舗ごとにコンセプトや営業スタイル、客層にも大きな違いがあり、「今の店舗は合わない」と感じた時に、別の店舗で挑戦しようと考えるホストは少なくないのです。
例えば、未経験向けの店舗で接客の基礎を学んだものの、物足りなくなってしまいもっとレベルの高い環境で挑戦したいと感じる人もいます。逆に、競争意識の高い環境が合わず、少人数で落ち着いた雰囲気の店舗に移籍するケースもあります。つまり、「どの店舗が良い・悪い」ではなく、「自分に合うか合わないか」によって移籍を決意するのです。
また、ホスト業界は実力主義の世界です。同じように努力をしていても、店舗の客層や方針によって結果の出やすさは大きく変わります。ある店舗では全く指名が取れなかった人が、移籍後に売上を伸ばすことも珍しくありません。能力がなかったわけではなく、「環境との相性」が大きく影響していた結果だと言えるでしょう。
移籍を繰り返しすぎてしまうことにもリスクはあります。しかし、「同じ店舗で苦しみ続けること」も正解とは言えません。ホスト業界では、移籍を「逃げ」ではなく「キャリア選択のひとつ」として考えている人も増えているのです。
ホストが移籍を考える主な理由
ホストが移籍を考え始める理由は、人や環境によって大きく異なります。しかし、「何となく辞めたい」というよりも、今の環境が合わないと感じていたり、将来への不安が積み重なっていたりした結果として移籍を意識し始めるケースがほとんどです。
努力しているのに結果がついてこない
毎日営業連絡を送り、接客も頑張っているのにも関わらず、なかなか指名や売上に繋がらないこともあります。このような日々が続くと、「この店の客層はそもそも自分には合っていないのではないか」と感じるようになります。努力不足の場合もありますが、店舗の雰囲気や客層との相性によって結果が変わることも少なくありません。
人間関係に悩みがある
ホスト業界はチームワークが重要な反面、実力主義のため競争意識も強い世界です。店舗によってはギスギスした空気があったり、相談できる相手がいなかったりすることもあります。仕事自体は楽しめていても、「この環境で続けるのは苦しい」と感じて移籍を考える人もいるのです。
お店の方針が合わない
SNS営業を強く勧めるお店や、飲み営業中心のお店等、店舗によって方針は大きく変わってきます。自分の性格や接客スタイルに合わない環境で無理を続けてしまうと、精神的な負担も大きくなってしまいます。
ホストが移籍を考えるのは決して珍しいことではありません。「楽をしたいから」という後ろ向きな理由ではなく、「もっと自分に合う環境を探したい」という前向きな理由で移籍を決断する人も多いのです。
移籍によって成功するホストの特徴
ホスト業界では、移籍によって大きく成長する人もいれば、逆に以前より苦しくなってしまう人もいます。その違いは、単純な実力だけではありません。移籍後に成功しやすいホストには、いくつか共通する特徴があります。
移籍する目的が明確
ただ何となく今の環境が嫌になり、「とりあえず別のお店に行ってみよう」と考える人は、移籍後も同じ悩みを繰り返しやすくなります。一方で、「今よりも落ち着いた雰囲気のお店に行きたい」「教育体制が整っているお店で学びたい」「もっと上を目指せる環境に挑戦したい」など、自分なりの理由を整理できている人は、移籍後も方向性を見失いにくいため、成功しやすいと言えます。
環境のせいだけにしない
お店との相性は非常に重要です。しかし、すべてを店舗や環境のせいにしてしまうと、努力を怠り、自分の改善点が見えなくなってしまいます。「接客をもう少し改善することができたかもしれない」「連絡の仕方を工夫できたかもしれない」と客観的に振り返ることができる人ほど、移籍後も成長しやすい傾向があります。
新しい環境で素直に学べる
移籍をすると、今までと営業スタイルや考え方が全く違うケースも多くあります。その中で「前の店ではこうだった」と過去のやり方に固執してしまうと、新しい環境に馴染めなくなり、移籍して環境を変えた意味がなくなってしまいます。移籍を成功させているホストほど、環境が変わったときに柔軟に考え方を変えられるのです。
すぐに結果を求めない
環境を変えたからと言って、すぐに売上が伸びるとは限りません。新しい環境に慣れ、信頼関係を作り、少しずつ結果を積み上げていく必要があります。すぐに結果を求めず、地道な努力を続けられる人ほど、移籍を良いキャリア選択へと変えていけるのです。
移籍をしたら必ず成功できるわけではありません。移籍はあくまでも1つのきっかけとして捉え、努力を続けることを忘れてはいけません。
移籍で失敗しやすいケース
移籍によって環境を変えることは、ホストとして成長するきっかけにもなります。しかしその一方で、移籍をしたことで以前よりも苦労してしまうケースも少なくありません。環境を変えたらすべてが好転するほど、ホストの世界は甘くないのです。
感情だけで移籍を決めたケース
人間関係のトラブルや、一時的に結果が出なくなったタイミングで勢いのまま移籍をしてしまうと、冷静に判断をすることができなくなってしまいます。悩みの種が環境由来ではなく自分自身だった場合、焦って環境を変えても結果は好転しません。
条件だけで選んでしまうケース
保証給の高さや知名度だけで移籍を決めてしまう人もいます。しかし、本当に大切なのは続けていける雰囲気かどうかです。どれだけ条件が良くても、自分の接客スタイルや性格に合わない環境では長続きしなくなってしまうのです。
前のお店と比較し続けてしまうケース
「前の店のが良かった」「やり方が違う」と不満ばかり抱えてしまうと、新しい店舗にも馴染みにくくなります。移籍に成功しているホストほど、前のお店に執着せず、新しい環境に順応しようとする姿勢を欠かしません。
環境を変えれば自然に売れるわけではありません。もちろん、相性によって結果が変わることはよくあります。それでも、接客や営業方法の改善をしないまま同じ行動を続けているだけでは、大きな変化は期待できないのです。移籍ですべてがリセットできるわけではありません。新たなスタート地点に立ったものと考え、努力を怠ることは禁物です。
ホスト業界内での移籍は珍しいことではありません。実際に、移籍で環境を変えたことで売上を伸ばしたり、自分らしく働くことができるようになったホストも多くいます。今の店舗で結果が出ないからと言って、必ずしも「才能がない」というわけではありません。
しかし、環境を変えればすべて解決するという簡単な話でもありません。売れないからとすぐに移籍を決めてしまったり、条件面だけでお店を選んでしまったりすると、移籍後にも同じ悩みを繰り返してしまうこともあります。だからこそ大切なのは、「なぜ移籍したいのか」「移籍してどうなりたいのか」をしっかりと整理し、自分なりの「移籍の軸」を作ることです。
移籍を成功させるホストほど、新しい環境でも素直に学ぶ姿勢があり、自分自身の営業スタイルを改善させようと努力しています。環境との相性ももちろん大切ですが、最終的には自分自身の努力も欠かすことはできません。
店舗の雰囲気や接客スタイルが合わず、悩んでいるのであれば、移籍を1つの選択肢として考えることも良いでしょう。自分に合った環境を探すことも、ホストとして長く活躍していくための、大切なキャリア選択のひとつになるのです。