【ATOM-Travis-】りゅうせい 10万円を握りしめて東京へ。そこで出会ったホストの世界

建築の仕事で若くして独立し、
「このまま地元にいたくない」という思いで東京へ向かったりゅうせいさん。

そこで偶然出会ったのが、ホストの世界。

今は大阪ミナミ「ATOM -Travis-」のプロデュースする立場として、店舗の育成にも力を注ぐ。
肩書きを捨てても挑戦し続け、仲間を導く側へ。
その根底にある「覚悟」の正体に迫った。

ー中学卒業後に飛び込んだ建築の世界で育った力

りゅうせいさんが最初に選んだ仕事は、建築の現場でした。

中学卒業後からずっと同じ現場で働き、20歳になる頃には独立。

「15歳くらいからその建築の仕事をずっとしてて、20歳で独立しました。自分でしたいというのがあって。」

年齢だけを見ると早い独立にも感じますが、

それはりゅうせいさんの中にあった上に立つ方が好きという素直な気持ちから自然に生まれた選択だったという。

現場で学んだ、任される責任や働く人との関わり、それらの積み重ねが、後にホストの世界へ進むときにも土台になっている。

ー10万円を握りしめて東京へ。そこで出会ったホストの世界

「地元を出てみたい」と言う思いがきっかけで、思い切って東京へ。

「東京に行けば何とかなるんじゃないかなと思って、携帯もお金も持たずに飛び出して(笑)

　(すぐに)持ってきたお金がもうなくなっちゃって。」

所持金は10万円。

ホテル代やパチンコでお金はすぐ底をつき、住む場所も仕事もない状態になったといいます。

そんなとき、街を歩いていて声をかけられたのがホストのスカウト。

「家ない、金ない、携帯ない、仕事ないやから、

　俺を拾ってくれるんやったらどこでもついて行くわって言って連れて行かれたのがホストクラブ。」

そのお店が、アトム東京の前身である「バンビ」。

この選択が後に、りゅうせいさんを大きく変えていくことに。

ー上を目指す気持ちが導いた、成長の時間

入店をして2ヶ月で大きな功績を残し、1年で当時の役職でいうところの代表にまでのぼりつめた。

携帯も持っていなかったという入店当初、とにかく上昇志向を持ち続けたと語る。

「誰よりも上を目指してた思いが強かったからじゃないですかね。」

「どうしても自分が上に立ちたいという性格やったんで。」

努力すれば返ってくる、という確かな手応え。

それが、ホストという仕事を続けていく最初の原動力に。

ー肩書きを捨て、アトムグループの本拠地、大阪に挑戦。Travis誕生へ

東京で代表として働いたのち、りゅうせいさんは一度すべての肩書きを手放し、

あらためてプレイヤーとして大阪本店へ向かう決断をする。

「肩書きも全部捨てて、ATOM本店に移籍させてもらって、プレイヤーをしましたね。」

歌舞伎町時代は1年で店舗管理の立場となりプレイヤーとして過ごした時間は多くなかったという。
その彼が、再び大阪で現場に立ち、数字をつくり、仲間と関わり、1からホストとしてスタートしたという。

もともと他の店舗のホストは好きじゃなかったと言う彼は、街で他のホストと衝突することも。
その都度、仲間たちには頭を下げたと語る。
仲間意識の強さや、ホストへの想いの強さが感じられる。

ーアトムグループの中でも当時最弱と言われていた店舗にも注力。

「本店で何年かやって、プレイヤー上がって運営側にりました。代表のコンサルやマネジメントをやったりプレイヤーの教育やったりとか、それからグループ全体のコンサルとかもさせてもらいました。」

その流れで、風向きが危ういグループ店も管轄に。
そこから立て直しを進め、店名を「White」に変更。さらに組織を整え、現在の「Travis」が誕生

「去年(2024)の4月ですね。Whiteの代表として就任して、そこから2ヶ月で名前変更して、Travisに。」

立て直しの頃には、レジェンドとも言える名だたる先輩メンバーたちが一緒に店を支えてくれたと言う。

「"りゅうせいが頭張るなら"とATOMを長い間支えてきて、一度はバラバラになった功労者が再集結してくれました。」

大阪での新たなチャレンジは "人が集まり、店が変わり、形が整っていく" 大きな変革の時期にもなった。