料理人として関西に来て、27歳でホストへ。大阪男塾 一ノ瀬支店のエレンさんは、“派手な武勇伝”よりも、積み重ねで勝ってきた人だ。入店して半年〜7ヶ月、お客さんゼロ。それでも折れずにヘルプを続け、毎日コツコツできることを積み上げて、今のポジションまで上がってきた。「頑張った分だけ、いつかは花開く」。その言葉に、嘘がない理由を聞いた。
ー料理人の世界で折れかけた時期があった
関西に来たのも、きっかけは料理の仕事。
北イタリア料理、それも寒い地域の料理に特化した“ニッチな職人系”。
手打ちパスタを指で形作るような、地味で細かい技術の積み重ね。
でもその分、現場は厳しく、長時間労働や人間関係が重なり、心が追いつかなくなった。
病院に行って、言われたのはシンプルなことだった。
「環境を変えた方がいい」
仕事が嫌いになったわけじゃない。
ただ、“そこに居続けること”が負担になっていた。
エレンさんが辞めたのは逃げじゃなく、立て直すための判断だった。
ー東北から関西へ。真逆の空気が、いつの間にか好きになった
出身は福島。高校卒業後は仙台に長く住んでいた。
そこから関西へ来た時、最初は戸惑いもあったという。
言葉も違う。ノリも違う。気質は真逆。
だけど今は、関西の“情の厚さ”が好きになった。
「めちゃくちゃ大阪ラバーです」
エレンさんが思う大阪の強みは、楽しさ。
見た目や駆け引き以前に、
「来たら楽しい」「また来たい」って思わせるエンタメ性。
ー27歳でホストへ。最初の半年〜7ヶ月は「お客さんゼロ」
ホスト歴は3年半。最初から順調だったわけじゃない。
入店から半年〜7ヶ月、お客さんはゼロ。
ヘルプを頑張り続ける日々だった。
それでも折れなかった理由は、
「従業員が仲良かったから」
しんどさより、居場所の安心感が勝ってたんだと思う。
じゃあ、どうやってそこから変わったのか。
答えは派手じゃない。
毎日、コツコツできることを積み重ねた。
地道に、縁をつないだ。
本人も言う。
「頑張った分だけ、いつかは花開くのがホスト」
“花が開くまでの時間”をちゃんと通ってきた人の言葉だった。
ー女の子と話したことがない男が、ホストになった日
「ホストやるまで、女性と喋ったことなかった」
学生時代は、女子と話すのがかっこ悪いと思ってた。
“浮ついてる男”が苦手だった。
だから最初は、「女の子と喋らなあかん」からスタート。
話題を作る。笑わせる。楽しんでもらう。
そこがしんどかった。
当時は上司に「芸人のラジオを毎日聞け」
と言われたこともあるらしい。
ただ、エレンさんが好きだった芸人が
ハリウッドザコシショウで、全然参考にならなかったと笑う。
ービジュアルに自信ゼロ。だからこそ 3年かけて整えた
ホスト=顔の世界。
その話になった時、エレンさんは即答。
「自信は全くないっすね」
でも、そこから3年かけて
髪、メイク、カラコン、服…全部ブラッシュアップした。
しかも、最初は私服がダサすぎて
店長が買い物についてきてくれたという。
「言われた通り買ってました」
この素直さが、エレンさんの強さでもある。
ー源氏名「エレン」は、体験でお客様がつけた
体験の席で「まだ源氏名決めてない」って話したら、
お客様が「ハーフっぽいから、エレンでええんちゃう」
軽いノリで決定。
『進撃の巨人』ガチ勢ではなく、
「好きではあるけどガチ勢ではない」くらいの距離感もまた良い。
ちなみにプロフィールの「心臓を捧げます」は後付けだという。
ー接客の強みは「合わせる」。でも察するのは苦手
自分の接客の強みを聞くと、エレンさんはこう言う。
「なるべく相手に合わせる」
ただし、ここで終わらない。
「お客様の望んでることを汲み取るのは、めちゃくちゃ苦手です」
だから、“気づいたところは意識して合わせる”。
天才肌の感覚派じゃなく、努力で寄せていくタイプ。
そして、もうひとつ大事にしてるのが自分の素も理解してもらうこと。
物忘れが激しい自分も含めて、受け入れてもらう。
合わせるだけじゃなく、相手にも自分を知ってもらう。
この関係性ができると、指名が“長く続く”やつになるという。
―TikTokという、もう一つの発信
エレンさんは
TikTokでも発信を続けているが、狙って“ホストっぽさ”を演じているわけではない。
夜の歌のお兄さんというアカウントではギターを弾いて歌ったり、夜の仕事の空気感をそのまま切り取ったり。
作り込んだキャラではなく、あくまで自然体だ。
「自分をよく見せたいというより、どんな人か知ってもらえたらいい」
店内の接客と同じく、無理をしない。
その姿勢が、画面越しにも伝わっている。
ーグループの空気は「仲良く楽しく」。それが武器になる
一ノ瀬支店の良さを聞くと、答えは明快。
「仲良く楽しく働く、っていうコンセプト」
月2回の合同営業もあって、
プライベートでもグループ間のメンバーで飲みに行くことがある。
この“温かさ”が新規の女の子にもウケがいい。
ホスト初めての子が居心地よくてまた来る。
推しだけじゃなく、ヘルプの会話も楽しみに来る。
派手な尖りじゃなく、“人間味”で選ばれる店。
ー「努力が正当に評価される場所」だから、ホストが好き
ホストをやって良かったこと。
多くの人が「お金」と答える中で、エレンさんは違った。
「自分の努力が正当に評価される」
頑張っても上司と合わないと評価されない。
残業しても給料が変わらない。
そんな世界を見てきたからこそ、ホストの“分かりやすさ”がありがたい。
努力が給料にも、評価にも、周りの見方にも返ってくる。
その実感が、エレンさんを前に進ませる。
ーこれからは「お店を大きくしたい」。店の中心で引っ張る存在として
最後に聞いた、彼の未来の話。
エレンさんは、自身の野心だけを語らない。
「一番は、お店を大きくしていきたい」
その中心人物として、引っ張っていきたい。
みんなで一緒に、成長していきたい。
そして何より、
「体が持つ限り、プレイヤーとして頑張りたい」
派手じゃない。でも芯がある。
言葉も、人生にも“嘘がない”。
料理人の世界で鍛えた職人気質と、
大阪のホストとして磨いたエンタメ性。
その両方を持ってるエレンさんは、
これからも“息の長い強さ”で、店の空気を作っていく人だと思う。
ーエレンさんの魅力は、作り込んだ強さじゃなく“自然体の信頼感”にある。相手に合わせる努力をしつつ、自分の弱さも含めて理解してもらう関係を作る。だから指名が続くし、店の空気も柔らかくなる。「努力が正当に評価される」からホストが好きだと言い切れるのも、苦しい時期を越えてきた証拠だ。派手じゃなくても、ちゃんと光る。そんな“大阪らしい強さ”が、ここにあった。
所在地:大阪市中央区心斎橋筋2-3-5 ファインプラザビル地下1階-15号
営業時間:20時00分 ~ 25時00分
問い合わせ先:06-6210-2733