ー“お客様を選ばない”ことが、ホストとしての幅を広げる
そんな愛蘭がYGGDRASILLで共感しているのが、お客様を必要以上に選ばないという文化だ。ホストとして経験を積み、結果が出始めると、どうしても自分に合うお客様だけを選びたくなることがある。しかし、それでは自分自身の可能性まで狭めてしまう。
これは若手ホストに対しても感じることだという。まだ経験が浅いうちから相手を選び、失敗しそうなことを避けてしまえば、接客の幅は広がらない。さまざまなお客様と接し、成功も失敗も経験する。
その積み重ねこそが、ホストとしての引き出しを増やしていく。
現在は後輩から営業や接客について相談を受ける機会も増えている。
自分が遠回りして身につけてきた経験を、今度は若い世代に還元する立場にもなり始めている。
ー自分の見た目もキャラクターも、無理に変えない
新しい環境に入ったからといって、すべてを周囲に合わせればいいわけではない。
愛蘭自身、初回接客では試行錯誤を重ねてきた。
華やかで玄人感のあるビジュアルを持つからこそ、距離の詰め方を間違えると軽く見えてしまうこともある。
逆に、初めてホストクラブを訪れる女性にとっては、少し近寄りがたい印象になる可能性もある。
そこで一時期は接客スタイルを変えてみたものの、最終的には自分がもともと得意としていた形へ戻した。
特に「これから担当を探したい」「新しいホストと出会いたい」という女性には、現在のスタイルがハマりやすい。
誰にでも同じ接客をするのではなく、自分の見せ方を理解した上で相手に合わせる。
長い経験があるからこその判断だ。
一方で、来客数の多い人気店だからこその課題も感じている。
多くのキャストが初回卓を回るため、一人ひとりが席につける時間が短くなるケースもある。短時間だからこそ「次はもっと話してみたい」と再来店につながることもあれば、その逆もある。
簡単に答えが出る問題ではない。
ただ、それだけ多くの女性が店を訪れているからこそ生まれる、人気店ならではのテーマでもある。