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海外思考

ー凰さんといえば顔出しNGのイメージが強いですが、顔出しNGブランディングは昔からなんでしょうか?

そうです。
ホストを始めた当初から、ホストとして表舞台での顔出しは一切行っていません。

ー最初からブランディングの一環だったんですか?

僕は大学生の時にホストを始めたんですが、当初はずっと夜職をやるつもりもなかったですし、デジタルタトゥーが残るのが嫌っていう理由がありました。ただ、他のホストと差別化を図りたいっていうのもありました。
売上も名もないホストがどうやったら女の子の興味を引けるか、みたいな。取っ掛かり作りじゃないですけど、きっかけ作りを考えていた時、僕自身イケメンは指名されやすいことはもちろん知ってましたがあえて顔を出さないこと、更には経歴、実績を作っていったら気になってもらえるんじゃないかな、という所が顔出しNGの始まりでしたね。

ー学生ホストだったんですね!

そうです。
二十歳の時に歌舞伎町に出てきて今のお店に入ったんですけど、主任まではアルバイトとして在籍させて頂きました。大学を卒業後、アルバイトからレギュラーの方に転向させて頂いて、そのまま続けさせて頂いています。

ーすると、凰さんのホスト歴自体結構長いんですね?

そうですね。
大学の兼ね合いで1年間ほど留学に行き、夜職から離れていたので、ホスト歴は実質5年目くらいです。

ーどちらに留学に行ってらしたんですか?

タイに行っていました。

ータイですか?! 語学留学ですか?

違います。
元々、うちの大学の学部が海外に長けている学部で、語学留学というより、フィールドスタディという現地調査をしていました。 テーマを自分たちで見つけて、それに対して調査をするみたいなものです。

ー特殊なご経験ですね! それが初めての海外留学だったんですか?

いえ。
留学自体は高校時代にも経験していました。 高校の半分はカナダ、半分は日本みたいな。

ー凰さん自体、海外思考が強いんですか?

そうですね。
子供の頃、家の近所に英語塾があって周りの兄弟や友達がそこで英語を教わるっていう流れが僕の地元ではありました。兄弟たちがサマースクールを利用して海外に行っているのを見ていたので、そうゆう環境から海外への興味に繋がりました。その頃から結構広い世界を見せてもらっていましたね。

ー凄い上流家庭の匂いがします 笑 学生時代の凰さんのお話を聞いていると、ホストに繋がりにくいと感じるんですが、どこでホストに繋がったんですか?

僕は青学出身なんですけど、僕の学生生活が、想像していた様なキラキラしたキャンパスライフじゃなかったっていう理由が大きかったかもしれません。
同じキャンパスにホストをやっている子がいたんです。その子の事は個人的に好きではなかったので、「なんでこの子が売れるんだ?」って疑問があったし、この子が売れるんだったら自分もやってみたいなって思ったのがホストを始めたきっかけです。

顔出しNG日本一

ー凰さんがホストを始めた当時、顔出しNGのホストさんはいたんですか?

顔出しNGを完全なるブランディングとして謳ってるホストさんはほとんど見たことがありませんでした。

ー顔出しNGホストの先駆けですね!

そうですね 笑
顔出しNGって色々想像膨らむじゃないですか。芸能やってるんじゃないかとか。なんで顔出ししてないんだろうとか、女の子って想像力豊かな部分があるので、そこも戦略に取り入れようって部分もありました。

ー二十歳の時にそれだけブランディングを意識していたんですね

まあ最初の頃はブランディングより、あまり顔出ししたくないっていう方が強かったです 笑 だから当初は店ではマスクを外していました。店でもマスクを着け出したのは、ここ3年くらいですね。 メディアでも店内でも顔出しNGっていうのは、他のホストクラブの顔出しNGのホストさん達ともちょっと違うのかなとは思います。

宗教営業

ー凰さんというと顔を出していないことも含めて、本当にミステリアスな印象があります。凰さんはどの様な営業スタイルなんですか?

よく言われるのは宗教系ですね 笑

ー宗教営業ですか 笑

渋谷凰というストーリーをお客様と一緒に作り上げていく過程の中で楽しさや、やりがい、目標を一緒に叶えること、人間成長や、新たな価値観や景色に触れること、希望を見出してもらうことなどを提供しています。それがお客様にとってポジティブな影響をもたらすことを願っています。 なので、こうしたい、こうなりたい、みたいなストーリーをお客様と共有することが多いです。そうゆう所が宗教営業って言われる所以だと思います。
なので、どちらかというとエンターテイメントというよりかは、やっぱり宗教的なのかな 笑

ーお話をお伺いしていると、お付き合いの長いお客様も多いんじゃないですか?

そうですね。
僕がホストを始めた当初から、応援して下さっているお客様もかなり多いです。

ーそれはやはり、渋谷 凰というストーリーを共有しているからですか?

共有している部分も大きいと思います。あと時間が長くなるに伴って情とかが入ってくる部分もあるんじゃないですかね。自分がそのお客様を形成する一部に慣れているんじゃないかな?って思う時もあります。ストーリーを共有する中で、尊敬される相手であり、理解者であり、居心地が良い相手であり、、楽しめる相手であり、いろんな相手に自分がなれたらそれはもう唯一無二の無くてはならない存在になりますから笑

ーお客様と深く、長くという営業スタイルは理想かもしれないですけど、実際かなり難しそうに感じます

営業スタイル的にも自分が、お客様の生活の一部になるっていうのを念頭に置いている部分があるので、ご新規のお客様を増やすことよりも、今ご指名下さっているお客様との関係を深める事の方に力を入れています。
皆さんそうだと思うんですけど、普段使っているSNSとかアプリとかってなかなか手放せないものじゃないですか。ちょっと値上がりしてもそのサービスを辞められないのと似た感覚かもしれません。 誰かの中で自分がそうゆう存在になれるっていうのは人として、ホストとして本当に幸せな事だと思います。

ブランディングの限界

ー深く、長くの営業スタイルの凰さんですが、今現在、凰さんを指名しているお客様の数は何組くらいなんですか？

今はそんなに顧客数は多くないですね、15~20人いかないくらいです。昔はもっと組数顧客数って感じだったんですけどね。今は代表職をやっている兼ね合いもあって、なかなか昔のやり方は真似できません。僕のやり方だと、どうしてもアイドル営業って感じではないので。

ー代表という多忙な立場と、凰さんの営業スタイルの相性は確かに悪そうですね

僕の営業スタイル上、やっぱり密なコミュニケーションっていうのは必須なんですよね。そうなると、母数を抱えて変に労力を割くのではなく、一人一人とコミュニケーションを深めていく、というのが今の僕の営業基盤ですね。そうゆう所が僕のブランディングの限界ですね。

ーブランディングの限界ですか

そうです。
やはり、顔を見せてるプレイヤーと比べると、顔出しNGは第一印象でほとんど印象を残せません。 うちの店舗に関して言えば、初回が5分回し位なので、その短い時間で自分をどうプレゼンするかっていうは、限られた時間では難しいです。ある程度コミュニケーションを重ねないと渋谷 凰を知ってもらうのは難しいので。

ーなるほど、良くも悪くも特殊な営業スタイルの様ですね、凰さんのお客様方に関連している事等はあるのでしょうか?

そうですね。
僕のブランディング上、顔を出してないという大きなハンデがあるので、興味を示してくれる層はいてもお客様になる層はどうしても周りに比べて少ないですが、その分、顔ではなく中身で人一倍見てもらい、選んでもらえるのですぐに終わってしまうような関係性にはならないことが多いです。

憧れのプレイヤー

ー今年、凰さんはSINCE YOU...Group上半期ナンバーワンですが、やはり年間も狙われているのでしょうか?

もちろん狙っています。今年のSINCE YOU...Groupで歴代年間売上記録を超えたいという思いがあるので。

ー歴代年間売上記録はどのくらいなんですか?

1億6千万ちょっとですね。
僕の中で、目標としているプレイヤーは蓮士会長です。蓮士会長のレジェンドの記録を根こそぎ持っていきたいですね。年間組数と年間売上以外は取らせてもらったので、年間売上記録に関しては今年中に取り切りたいって気持ちがあります。その中で順位が1位だったらいいなと思っています。

渋谷凰の今後

ー今後、渋谷凰というホストはどの様になっていくんでしょうか?

今年の結果次第ではあるんですけど、ナンバーは上がろうかなと思っています。

ー何故ですか?!

自分自身、個で売る楽しさがなかなか見出しづらくなってきているのと、お客様とのコミュニケーションが密な分、疲弊感ではないですけど、やはり少しディープな部分もあって、今後は自分個人というよりは、店舗に視点を変えて代表職の方にシフトしていこうかなと思っています。まあ、プレイヤーを止めることはないですけどね。どちらかというと、自分の売上より後進育成や、お店の発展に力を入れたいです。

言語化

ー凰さんが教育面に関して力を入れていることはありますか?

再現性のある教育を根幹においています。僕は出来るだけ全ての物事を言語化したいタイプです。それこそ、再現性を持たせる為には、言語化出来ないと難しいですし。結構感覚で教えているホストさんが多いと思うんですけど、僕も勿論感覚で教える事もあるんですけど、再現しやすいように、言語化して伝えるっていうのは意識しています。

ー言語化という部分はホストという特殊な職種に留まらず、何をするにおいても一番大切なことだと思います、またかなり難しいと思います

そうですね。
ざっくり伝えるって感じではなくて、本質的な部分を教えることが、ホストって仕事に関係なく転用できるかなと思います。物事の本質って大体似通っていると思うんです。 だから、何故そうゆう現象が起きるのかを突き詰めると女性を理解をしなきゃいけないってとこも勿論ありますし、心理学的な部分を突き詰める必要もあると思います。だから唯のテクニックを教えるというより、自分でその答えを導き出すまでの過程を教えてあげたいですね。

数字から読み解く

ー凰さんの様に、直感や感覚的なものに頼らないホストさんも珍しいんじゃないですかね

そうですね。
自分は毎日数字を見て、データを分析しているので、リスク管理なんかも日々徹底しています。あまり短期的な所で見てしまうと、どうしても願望とか感覚的な所に目が行ってしまうので、中長期的に見た時の変動には敏感になっています。

ー数字ですか、では売上等も計算通りに行くことが多いんですか?

そうですね。
数字の先読みとか情報収集とかは必ず行っているので、変に崩れることはないですね。そもそも崩れて当たり前って頭でやっているので、崩れても誤差の範囲くらいです。その誤差をどう埋めるかも状況次第、お客様とのコミュニケーション次第で、直感とかにはあまり頼らないです。

信憑性

ー顔を出さないホストとして、多くの実績を残された凰さんの最も強い所はどこなのでしょうか?

言葉の説得力は誰にも負けないんじゃないですかね。『この人だったら』って思って頂ける様な、信じさせる能力はあると思います。大金を使うという行為はホストクラブに限らず本当に不安な事です。だからこそ、ホストという自分自身を商品とする特殊な職業では、「使っても大丈夫」という納得のいく理由を言語化して伝える能力が必要不可欠だと思います。僕はそこが人より優れているのかな、と思います。

ー今後、凰さんが目指すビジョンや夢などを教えてください？

実は今後のビジョンというものは全く考えていないのですが、ホストの世界に入ったきっかけは、実は起業したいという夢もあったからです。なので今後のビジョンを考えると、どちらかというと夜の世界より、昼の世界に挑戦したいという思いはありますね。

ー昼の世界ですか

そうです。
この業界にはホストだけで終わりたくないという子も多いです。ホストという職業は、ずっと続けられるものではありません。なので次のステージを用意する人が必要です。そうゆう理由もあって、昼に挑戦したいという気持ちもあります。なので社長だったり、お店を持つこと自体には、あまり興味がありません。
来年一年を店舗の発展、後進育成に着手して、受け渡しながら、自分のセカンドライフというか、次の道、目標を考えたいです。
ホストの9割くらいが、毎日を唯なんとなく過ごしてしまいます。それで、ふと気づいた時には時間もお金も無くなってしまうんです。そんなのは昼職、夜職に限らずもったいなさ過ぎますから。

日本一の顔出しNGホスト『渋谷 凰』その名前は模索、熟思され作りあげられたブランドの呼称なのかもしれません。
表情が見えずとも、完璧に言語化され伝わってくる言葉は『顔』など、優に補って余りあるものであると今回実感しました。また、そこから感じ取れる信憑性、信頼性は渋谷 凰というブランドが持つ実績、成績を伴ったカリスマ性を持ってのことであると感じました。
今回の取材を通じ確実に『渋谷 凰』の素顔を見ることが出来ました。計算され尽くし、考え抜かれた完璧なブランディングと、巧みで説得力のある話術はまさにカリスマホストでした。

あなたも一度、日本一の顔出しNGホスト『渋谷 凰』の素顔を見てみては?



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